昇仙峡 コブラクラック 5.11c Trad RP
初めて訪れた噂の昇仙峡。
貸切の岩場で山野井夫妻とも初めて会い、濃密な時間を過ごす。
この日のターゲットととしたのはコブラクラック5.11c。そこそこ長さもあり、ナイフでスパッと切ったかのような文句のつけようが無いクラックだ。傾斜もあり、フィンガーからハンド、ワイドハンドまで全ての技術とフィジカルが試される。
この日は岳美と茜ちゃん、GTも同じルートを狙い、誰が一抜けするかと、なんとも言えない緊張感が漂う。
まずは岳美の1トライ目、前に一度触ったようだが、失敗し、相当悔しがっていた。穏やかだった岩場が凍りつく。
1便目。15テンくらいしただろうか。この日の完登は絶望的に思われた。傾斜も強く、核心のフィンガーと、出口のワイドハンドがキツイ。
2便目も、抜けるまで40分以上かかり、絶望感は増すばかり。どうもワイドハンドのコツが掴めない。しかもそこに辿り着く頃には相当ヨレてしまう。
皆がフォールを繰り返し、腕はヨレ、悲壮感に包まれるも、ほんの微かな可能性にかけ、皆レストをしてはトライを続ける。
なんとその後、岳美が雄叫びをあげつつ、気迫のRP。山野井さんのアドバイスも効いたようだ。厳しそうな感じだったので、完登には驚いた。
そしてやってきてしまった自分の番、3便目。
核心部のフィンガーと最後の乗っ越し部分で吠えつつ、馬鹿力を出し、登れてしまった。
会心のトライだった。Send Train!!!(※)
落ちたらまた北海道からやって来なきゃいけないという気持ちが登らせたのだろうか。
素晴らしい三つ星クラックをワンデイRP出来て満足だ。
※Send Train センド トレイン
→ アメリカでよく聞くクライミングスラング。誰かが完登後、それに続いて完登すること。英語で登ることをアッセンド ascend と言い、それを略してセンド scendという。電車のようにそれが続くことからきている。