Alpine Yudini

クライミングやスキーの記録を書いていきます。

カミホロ 八手岩 南西面凹角ルート

カミホロ 八手岩の南西壁凹角ルート。

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八手岩 全景

 

ネットや本にもあまり多くの情報が無く、冒険的なクライミングを楽しめそうだ。

春も近づき、だいぶ暖かいが、手元の時計はマイナス15度と示している。

 

いつも通りほとんど視界のないまま手探りで八手岩基部へ、そして岩伝いに

ルートを探していく。

 

1P目 V+

 

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弱点のように見える凹角が取り付きとなっている。いきなり壁は立っており、なかなか厳しそうだ。取り付いて見ると更に厳しい。しかし、カミホロ にしてはよくプロテクションがとれ、出だしの左壁にカムを2本きめる。

そして核心であろう小ハングの乗越に突っ込みたいが、もう少しプロテクションが欲しい。ナッツの決まらなかった極細クラックにアングルを打ち込むと、お手本のようにキンキンキンと徐々に高くなっていく音がした。これで突っ込めると、ピックの先ほどのクラックにトルキングし、もう片方の手で凍った泥にアックスを効かせる。そして体を引きつけようとした時、アックスがすっぽ抜けた...

 

実際は1秒もないのだが、しばらくスローモーションで体がフワッとし、5mほど落ちて地面スレスレで止まった。ハーケンを打っておいて助かった。

落ちて気合を入れ直し、再トライ。今度はアドレナリン全開で無事にハングを越え、そのままビレイ点まで直上。20m程度。

 

 

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1ピッチ目終了点 古いハーケンにトライカム を加えてビレイ点とした。



 

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2P目 Ⅴ

ボルダーを左から回り込み、顕著な弱点を締まり雪を頼りに左上していく。結構悪い。

終了点には古いハーケンが4本残置されていた。小さいナッツ、トライカム が要所で使える。

 

 

3P目 Ⅲ

簡単な雪壁登りで八手岩のコルまで右上。風も強く、明日の正面壁も控えていたので、稜線へは抜けずに、ここからクライムダウンで2P目アンカー、そこから懸垂1Pで取り付きまで下降した。充実のアルパインライミングとなった。