日本最北端の岩場 名寄・見晴岩はすごかった!
北海道は名寄市、こんな所に用事のある人は殆ど居ないだろう。パッと思い浮かぶ観光名所もなければ、札幌から約200kmも離れている。
しかし、ここには日本最北端?のクライミングエリアがあるのだ。それも”かなり高クオリティーな”である。今回はこのエリアを紹介しようと思う。本州のクライマーも一見の価値有りのエリアだ。絶対に行って後悔する事はないだろう。
道路から目立って見えるテーブルの様な岩壁を目指してダートを進んでいくと、黄色い柵に突き当たる。これはロックナンバー1,x,x,4の4桁で解除できるので、そこからさらに5分程度車を走らせると、6台程駐車できるスペースに到着する。向かって左手の顕著な登山道を15分ほど登ると、見晴岩に到着する。
エリアはコンパクトにまとまっており、傾斜は90°〜120°程度、5.9〜5.14a/bまでのルートが40本程度ある。中でも今シーズンの3回、計5日間の滞在で印象に残っているルートは以下の3つだ。
①サンピラー 5.12b/c
25mに渡って、奇跡的に配置されたカンテ上のホールドを使って登っていく三ツ星ルート。カンテ左側がかなりハングしており、持久力が試される。上部で落ちると全身のパワーをこれでもかと吸い取られてしまう。8回もトライして何とか登りきり、グレード更新もできたので、ひいき目かもしれないが、心からオススメできる。インドアメインのクライマーには登りやすいかも。
②シェマリア 5.12b
サンピラーから少し奥に進むと、スミスロックを思い出させるスッキリとした明るい色の垂壁が現れる。カチやポケットが程よくあり、この壁の3つのルート”シェマリア12b","おおかみの桃11d/12a","夏の忘れ物”は本当にハイクオリティーだ。サンピラー と打って変わって、外岩ならではの繊細なムーブや立ち込み、ポケットの保持力が試される。特に、見晴らし岩の看板ルートでもあるシェマリアは素晴らしい。スミスロックで1年間過ごした僕にとっては得意系だったのもあり、2便で仕留めることができた。このグレードの2撃は嬉しいが、何より日本最北端というロケーションで全てを忘れて一手一手、ゾーンに入っているかのように手を出していくあの瞬間が幸せだった。ちなみに他の2つのルートも全て2撃、そろそろ11台スポートルートでは絶対に落ちないようになりたい。
③月の石 5.12d
サンピラー を終えて時間が余った日にムーブを探ってみたが、パンプした手では一箇所クリップ方法を解明できずにトップアウトできなかった。しかし、110°に前傾したスッキリとした壁に、様々な形状のポケットやカチが散りばめられた三つ星ルートだ。来シーズンの目標としたい。
↑月の石 12d
以下 登ったルート
・アンジェラ 5.11c OS
・フェミニスト 5.11a/b OS
・森のガバさん 5.10a OS
・プチトマト 5.10a OS
・モグラの穴 5.11a OS
・おおかみの桃 5.11d/12a 2撃
・夏の忘れ物 5.11b 2撃
この岩場にはまだまだ5.13や12後半があるので、来年も時間の限り通いたい。
ちなみに、車で15分ほどのところに無料で泊まれる廃電車の宿があり、快適に泊まることができる。(要予約)
アフタークライミングは温泉と、名寄を代表するケーキ屋、「ブラジル」でスイーツも楽しめる